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【ドラマ】三千円の使いかた【感想】

『三千円の使いかた』というドラマをご存知でしょうか?フジテレビ系列で毎週土曜日の夜11時40分から放送されている番組です。脚本家、小説家である原田ひ香さんによる同名の小説が原作となっており、「少額のお金をどう使うかがその人の人生を決める」というテーマでお金に関する話が一話完結で展開されていきます。今日はこのドラマを見る中で私が感じたこと、考えたことを書いていきたいと思います。

(四話目までのネタバレを含みます。ドラマを見てから読みたい方はぜひTVerなどを使って先にご覧ください)

あらすじ

このドラマの主人公は葵わかなさん演じる御厨(みくりや)美帆です。24歳の美帆は昔祖母(中尾ミエさん)から言われた「人はね、三千円の使いかたで人生が決まるの」という言葉をすっかり忘れ、念願の一人暮らしを謳歌していました。IT企業に勤めていて収入も同世代の中では恵まれており、好きなようにお金を使える生活を満喫する美帆。可愛いインテリアに囲まれた素敵な部屋、服もアクセも好きなものがたくさん。幸せいっぱいの美帆でしたが、ある時路上で保護犬の里親を探す団体の活動を目にします。今までは好きに使っていたお金を貯めて保護犬を飼うための一軒家を買いたいと考えるようになります。下調べをし、貯金の目標額を1000万円に設定した美帆は固定費削減のためにキラキラした一人暮らしをやめて実家に戻ってきます。そこで祖母や母(森尾由美さん)、結婚して夫と娘と暮らす姉の真帆(山崎紘葉さん)と関わる中でお金と人生について考え直すようになっていきます。美帆をはじめとする登場人物たちは、お金と人生に対してどのように向き合っていくのでしょうか。

主な登場人物


・御厨(みくりや)美帆(葵わかなさん):保護犬と住む家を買うために1000万円貯めることを目標に節約に励むOL。
・御厨琴子(中尾ミエさん):美帆の祖母。園芸が好きなしっかり者。
・井戸真帆(山崎紘菜さん):美帆の姉。消防士の夫と一人娘と暮らす。元証券会社勤務で現在は専業主婦。

これまでの話

1話では美帆が一人暮らしをやめて実家に戻ってくる顛末が描かれていました。1000万円貯めたいという明確な目標ができた美帆は、元証券会社社員でしっかり者の姉、真帆に節約のアドバイスを求めます。真帆は迷うことなく「固定費の削減」を挙げました。また、少しずつでいいから毎日決まった額を貯金として取り分けることもアドバイスします。最初は固定費の削減にも貯金にも後ろ向きだった美帆ですが、貯金が続いて自信がつくと楽しくなってきたのか固定費削減のために一人暮らしをやめ、実家に戻ることにしました。(相談もなく急に戻ってきていたので私が親だったら嫌だなと思いました笑)そこから美帆の御厨家での生活が始まり、人生とお金に関する様々な考えを取り上げるこのドラマがスタートしました。

2話では美帆の祖母、琴子を中心に話が進みます。琴子は夫の死後「遺産の1000万をコツコツ増やしてマッサージチェアを購入する!」という目標を立て、実行した堅実&野心的な人物です。幼い頃の美帆たちに「3000円の使いかたで人生が変わるの」という言葉を教えた人物でもあります。そんな琴子は日々の生き甲斐もなくのんびりと日々を過ごしていました。ある日お嫁さん(美帆の母)である智子(森尾由美さん)から友人たちにおせちの作り方を教えて欲しいと依頼され、その講師代にとお金を受け取ります。自分にはもう仕事は無理だと思っていた琴子ですが、この出来事をきっかけに働いてお金を得ることの楽しさとやりがいを思い出し、再就職活動を始めます。挫折や周りからの心配もありましたが琴子は無事新しい仕事につくことができ、日々を充実させられました。いくつになっても新しいことにチャレンジできるということが描かれていました。

3話では美帆の母、智子とその夫和彦(利重剛さん)との関係がピックアップされます。専業主婦として家族を支えてきた智子は健康診断の結果子宮体がんのステージ1だと分かります。娘たちや義母は口々に心配の言葉を発しますが、夫の和彦からは「大丈夫か」の一言も気遣う様子すらもありません。
そんな中親友の千さと(とよた真帆さん)から熟年離婚を考えていると相談され、智子は自分もこのまま和彦と夫婦関係を継続していっていいのだろうかと考えるようになります。しかし同時に千さとから離婚後の生活はかなり苦しくなるということを聞き、長年専業主婦をしてきた自分の人生は金銭的に見ると何かを残しているとは言い難いことに気づいて動揺します。幸いにも手術は無事成功し、検査の結果その後の治療も必要ないと言われ安堵する智子ですが、この出来事をきっかけに改めて自分の人生について考え直すこととなりました。

1月28日放送の第4話

ここまでが非常に長くなりましたが、このようにお金と人生について描かれるこのドラマの中でも私が最も面白いと感じたのが1月28日放送の第4話です。この話では主人公美帆の姉である真帆の葛藤が描かれており、「仕事を辞めて専業主婦になる女性は逃げているのか?」という疑問も取り上げられています。

ざっと内容を書くと、真帆は貯金1000万を目指して日々節約に励んでいる専業主婦です。夫の太陽(堀井新太)は消防士をしており、真帆は娘が幼稚園に入ったら仕事復帰をする予定です。そんな中で友人の一人がセレブ婚をすることになり、そのお祝いのために集まった食事の席でもランチ代を気にする自分が少し嫌になります。自分以外の友人たちは未婚で仕事をしており、みんな気にせず高いお酒を飲んでいます。友人たちは早くに結婚、出産をした真帆に「そういう人生もありだったよね」と笑顔で言いますが、真帆の心は晴れません。
また、同じ頃妹の美帆の職場の先輩がプロポーズをされ、結婚を迷っているという彼女に対して職場の男性が「いいよな女の人は結婚して専業主婦になるっていう逃げ道があるから」と言ったというのを聞き、自分の選択は逃げだったのだろうかと不安になります。
娘と行ったスーパーで野菜の袋詰めに精を出しているところをママ友親子に見られ、新しいおもちゃをねだる姿を羨ましそうに見ている自分の娘を見て切なくもなります。「もしかして自分は節約で頭がいっぱいになりすぎでは?もっと他に優先するべきことがあるのでは?」と不安に思った真帆は夫に相談しますが、「真帆の好きなようにしたらいいよ」「俺はわからないから」と真帆に一任する夫に対して憤りを感じ、一時的に実家に戻ります。
そこで美帆から琴子が真帆のことを「考えてお金を使う子。貯められる子。絶対幸せになる」といった内容で褒めていたと聞き、節約できるのは自分の長所だということを再確認します。すべては家族のためだという初心に帰り、これからも節約を続ける決意を新たにします。夫も「今まで任せすぎだった」と反省し、家族一丸となって節約することを誓ってハッピーエンドとなりました。

お金の使い方について考える

今回の話では「専業主婦は逃げではなく選択の一つ」「節約を通して家計に貢献するのも大いに大切」ということがわかりやすく描かれており、専業主婦という選択をした人にとっては共感できる内容になっていると思います。私は専業主婦ではありませんが、働いているからこそ家でずっと子どもと過ごす大変さも想像できます。専業主婦でもワーママでも自分の選んだ道を胸を張って進める社会になるといいなぁと強く思っています。このドラマでは今までも「高齢者(2話)」「専業主婦歴の長い妻(3話)」」が取り上げられており、バリバリ働いてお金を稼いでそれを使う、という行動原理以外で生活している人の考えを知るきっかけになりました。ドラマだからという部分も大きいと思いますが、こうやって見ると女性は強いですね!いざという時には自分が働いて稼いでいく。現状働いているかは置いておいて、そういう気持ちを持っておくことは大切だと思います。もちろん男性側にも家事育児を担ってもらう前提ですが。

仕事も給与もお金に関する考えも人それぞれで、簡単に比べたり良し悪しをつけられることではありません。ただ、どんな時も大切なのは「自分が今置かれている環境に納得していること」だと思います。特に女性は男性と比較して働きかたや生き方に種類が多く、結婚や出産というライフイベントによって人生が大きく左右されがちです。(たとえ本人がそれを望まなかったとしても)
今回の真帆のように「私はこれでいいんだ」と思えればそのまま続ければいいですし、考えた結果「やっぱり違う」と思うのであれば自分の理想に近づく働きかたなり生活の仕方にシフトするべきだと思います。それが原因で家事負担に変化が出たり育児に割く時間が今までより減少する場合は、夫(の職場)に協力を要請したいですよね。働いていないほうが家のことや子供のことにより大きい責任を負うこと自体はバランス的に仕方ないかもしれませんが、それはお互いが納得できている場合だと思います。働きたい妻を家に引き止めるのは不健全ですし、万が一夫が働きたくない、働けない、となった場合には妻が家計を支える覚悟も持つ必要があると思います。夫婦の形、家族の形によって求める幸せは異なるけれど、同じ目標に向かって協力できる真帆たちのような夫婦は素敵だなと感じる第4話でした。

まとまりに欠ける内容ですが、何事もベターを求め続けることが必要で、そのためには夫婦間の協力が欠かせないと思いました。まだまだ続きがあるこのドラマが楽しみですし、ドラマ化が決まる前から話題になっていた原作もぜひ読んでみたいと思います。もし気になった方はぜひチェックされてみてください。一緒に読みましょう!

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